eスポーツ・ゲームイベントのキャスティングを決める「指標」とは
「登録者◯万人」「同時接続◯千人」——その数字の大きさだけでストリーマーを選んでいませんか。ストリーマー起用は、フォロワー数や同接の大きさだけで判断すると、お金は動いたのに商品はまったく想起されないという失敗に陥りやすい施策です。
ライブ配信のPRは、InstagramやTikTokなどの投稿型インフルエンサー施策とは見るべき指標が大きく異なります。
本記事では、ストリーマー起用の選び方を10の評価指標で体系化し、さらに起用後の成果をどう測るか(効果測定)まで、運用現場の知見をもとに一気通貫で解説します。最後にそのまま使えるチェックリストも用意しました。
eスポーツやゲームを軸にしたイベントを考える際の目標設定等に役に立つはずです。ぜひ、最後までお読みください。
この記事でわかること
インフルエンサーとストリーマーの「見るべき指標」の違い
ストリーマーを見極める10の評価指標(リーチ/エンゲージメント/ファン層)
起用後にPR成果を測る3フェーズの効果測定
インフルエンサーとストリーマーは何が違うのか
「インフルエンサー 起用 選び方」で調べると、出てくるのはInstagramやTikTokを前提とした記事ばかりです。しかしライブ配信を主戦場とするストリーマーは、評価軸がまったく異なります。
項目 | 投稿型インフルエンサー(Instagram等) | ストリーマー(Twitch/YouTube Live等) |
|---|---|---|
コンテンツ形式 | 録画・編集済みの投稿(ストック型) | リアルタイムのライブ配信(フロー型)+アーカイブ |
視聴態度 | スクロールしながらの瞬間接触 | 数十分〜数時間の「滞在」 |
ファンとの関係 | 一方向(見る/いいね) | 双方向(チャットで会話が成立する) |
主な評価指標 | フォロワー数・エンゲージメント率 | 総視聴時間・同時接続・チャット熱量・課金規模 |
最大の違いは「接触時間の長さ」と「双方向性」です。投稿型が数秒の接触なのに対し、ストリーマーの配信では「視聴者が長時間、その場に居続ける」という行動をとります。
さらにチャットでは配信者と会話が成立するため、視聴者は受動的ではなく能動的な参加者になります。
この「能動的に関与する時間が長い」という性質こそ、ストリーマー起用が今PRで効く理由です。能動的に反応する視聴者ほど、紹介された商品を想起・記憶しやすい。 だからこそ、選び方の物差しもフォロワー数ではなく、後述する10の指標に切り替える必要があります。
ストリーマー起用でよくある3つの失敗
具体的な選び方に入る前に、現場で繰り返し起きる失敗を共有します。
数字の大きさだけで選ぶ — 同時接続が多くても、ファンが商材に無関心なら売上にはつながりません。「規模」と「相性」は別物です。
商材とファン層がズレる — どれだけ人気でも、配信のテーマやファンの関心と商材が噛み合わなければ、視聴者は“宣伝”として受け流します。納得感のない案件はファンの反感すら招きます。
ライブの瞬間最大風速だけを見る — 配信は終わってもアーカイブ(VOD)やSNS拡散で後からリーチが伸び続けます。ライブ当日の同接だけで判断すると、継続リーチを取りこぼします。
この3つはいずれも、「正しい指標で見れていない」 ことが原因です。
ストリーマーを見極める10の評価指標
ストリーマー起用の選び方は、「①どれだけ届くか(リーチ)→ ②どれだけ熱いか(エンゲージメント)→ ③誰に届くか(ファン層)」 の3階層で見極めます。各指標は「定義/なぜ重要か/どう見るか」の3点で説明します。
① リーチ(量)を測る5つの指標
1. 総視聴時間(Hours Watched)
定義: 視聴者数 × 視聴時間の総計。
なぜ重要か: 「最も視聴されたストリーマー」ランキングが参照するのもこの数値。露出の総量を最も正確に表す看板指標。
どう見るか: 同接数も大切ですが、ユーザーあたりに「どれだけ長く見られているか」を掛け合わせて評価することを推奨しています。
2. 同時接続者数(CCU)
定義: ある瞬間に同時に視聴している人数。配信を通して、平均値(ACCU)と最大値の両方を見る。
なぜ重要か: 配信の瞬間的な集客力を示す基礎指標。総視聴時間を構成する要素。
どう見るか: 単発のピークに惑わされず、平均同接で地力を見る。
3. 配信時間(Hours Broadcast)
定義: 1配信あたりの長さ、および配信頻度。
なぜ重要か: 総視聴時間のもう一方の構成要素。
どう見るか:長時間配信、高頻度配信のストリーマーはファンからの熱量が高い傾向にある
4. VOD再生数(アーカイブ含む)
定義: ライブ後に残るアーカイブ動画の再生数。
なぜ重要か: PR露出はライブで終わらない。アーカイブで後からも伸びる「継続リーチ(ストック露出)」 を生む。
どう見るか: ライブ同接に対しVODがどれだけ回る配信者かを過去配信で確認する。
5. SNS拡散力
定義: X等での告知ポストのインプレッション・拡散量。
なぜ重要か: 配信の“外”への波及。配信を見ていない層にもリーチが広がる。
どう見るか: 告知ポストの平均インプレッション・エンゲージメントを確認する。
② エンゲージメント(濃さ)を測る3つの指標
6. チャット熱量(チャット数 /Hours Watched)
定義: 時間あたりのコメント量。
なぜ重要か: 場の盛り上がりの指標。能動的に反応する視聴者ほど商品を想起・記憶しやすい。
どう見るか: 同接が同程度の配信者同士で1人あたりコメント量を比較する。
7. メンバーシップ加入率
定義: 視聴者のうち月額課金メンバーが占める比率。
なぜ重要か: 配信者を定常的に支えるコアファン層の厚みを示す。
どう見るか: メンバー数を平均同接・登録者数と照らし比率で評価する。
8. 課金規模(スパチャ・bits・メンバーギフト)
定義: スパチャ、bits、メンバーギフト等の直接課金の総額。
なぜ重要か:ファンの熱量の高さと相関するから。
どう見るか: 金額の総量より「熱心なファンがどれくらいいるのか」を確認するために使用する。
③ ファン層(質・フィット)を測る2つの指標
9. 視聴者被り(Viewer Overlap)
定義: 他のどのストリーマーと視聴者を共有しているか。
なぜ重要か: 被りが少ない人は独自性が高く希少。PR成功実績のある配信者と被りが多い人を起用すれば、そのファン層を深掘りできる。
どう見るか: 過去にPR成功した配信者との視聴者重複を見て到達効率を判断する。インクリメンタルリーチの最大化に使用する。
10. PR整合性
定義: PR商材とストリーマーの視聴者層とのマッチ度。
なぜ重要か: 売上貢献を左右する最重要のフィット指標。
どう見るか: 過去配信のテーマ・発言・既存案件との相性を定性的に確認する。外から推察することはかなり難しい。ストリーマーやマネジメント企業から提供される一次情報を元に推察することしかできない。
10指標まとめ
階層 | 指標 | 何を測るか |
|---|---|---|
①リーチ | 1. 総視聴時間 | 露出の総量(看板指標) |
2. 同時接続者数(CCU) | 瞬間の集客力 | |
3. 配信時間 | 露出の窓の大きさ | |
4. VOD再生数 | 継続リーチ(ストック) | |
5. SNS拡散力 | 配信外への波及 | |
②エンゲージメント | 6. チャット熱量 | 場の盛り上がり・記憶想起 |
7. メンバーシップ加入率 | コアファンの厚み | |
8. 課金規模 ◎ | 財布を開く層との相関 | |
③ファン層 | 9. 視聴者被り | 独自性・狙う層への到達 |
10. PR整合性 | 納得感・態度変容のしやすさ |
【効果測定】起用後にPR成果をどう測るか
施策が固まったら、次はストリーマーマーケティングの目標設定と効果測定です。こちらは3つのフェーズで整理すると抜け漏れがありません。
フェーズ1:起用前
前章の10指標がそのまま起用前のKPIとして利用可能です。候補者を横並びで数値化し選定する段階と言えるでしょう。GLOEでは過去のデータから、CCUからどれくらいのクリック数が1時間に発生するか予測可能です。
フェーズ2:配信中
最大/平均同時接続、チャット数(商材への言及数)、告知ポストのインプレッションなど。企画の面白さや配信の盛り上がり等もチャット数やチャットのポジネガから計測します。
フェーズ3:起用後(成果KPI)
「配信が盛り上がったか」ではなく「事業成果につながったか」を測る。GLOEではインクリメンタルリーチやGA4等で計測できる新規ユーザーの増加を施策結果の成功として考えています。
成果KPI | 何を見るか | 測り方の例 |
|---|---|---|
指名検索数の増加 | 商材・ブランド名の検索ボリューム変化 | 配信前後の指名検索数比較 |
サイト・LP流入 | 配信経由の流入数 | トラフィック / 専用URL/計測パラメータ |
コンバージョン(CV) | 申込・購入・資料DL等 | クーポン利用数 / 計測リンク経由のCV比較 |
ブランドリフト | 認知・好意・購入意向の変化 | 簡易アンケート調査(SCOP Survey) |
ポイントは、目標設定タイミングに「何をもって成功とするか」を決め、計測の仕込み(専用URL・クーポン)等を配信前に準備しておくことです。
とはいえ、10指標のモニタリング→配信中の計測→起用後の成果追跡を自社だけで毎回回し続けるのは大きな負荷です。指標の取得元もプラットフォームごとにバラバラで、ノウハウの蓄積も要ります。運用知見を持つパートナーと組むかどうかで、施策の精度と再現性が大きく変わる部分です。
ストリーマー起用のステップとチェックリスト
目的とKGI/KPIを決める(認知/指名検索/CV)
10指標で候補を数値化し選定する
PR整合性を確認する(商材と配信者の文脈一致)
計測を仕込んでから配信(専用URL・クーポン)
3フェーズで効果測定し次回に活かす
よくある質問(FAQ)
Q. 最低どのくらいの規模のストリーマーから効果が出ますか?
A. 規模よりも「チャット熱量」「課金規模」「PR整合性」が成果を左右します。同接が小さくても、大規模配信者より高い成果が出ることも多くあります。SCOPという多様な中堅・若手のストリーマー(ゲーム配信者)の一括運用可能なサービスも提供していますので、ぜひご検討ください。
Q. VTuberとストリーマーは分けて考えるべき?
A. 10指標は共通で使えます。ただしファン文化・課金傾向に差があるため、PR整合性と課金規模の見方は個別に確認すると安全です。ファン層のデモグラフィックが関係しているので、指標のみでは判断できない場合が多いです。
Q. インフルエンサー施策とどちらを選ぶべき?
A. 短時間で認知獲得なら投稿型インフルエンサー、長い接触時間で深く態度変容ならストリーマー。商材と目的次第で併用も有効だとGLOEでは考えます。
まとめ:選んで終わりではなく「測れる」起用を
ストリーマー起用は、フォロワー数や同接の大きさだけで選ぶと失敗します。リーチ・エンゲージメント・ファン層の10指標で見極め、起用後は成果KPIまで測る——この「選ぶ→測る」の一気通貫ができて初めて、PRは再現性のある投資になります。
GLOEはストリーマーを活用したマーケティングについて、市場分析から戦略的な企画・実施運営までを手がけます。ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
GLOE編集部
GLOE
GLOE編集部
GLOE
ゲーム・eスポーツに関連する様々な事業を展開するGAMING LIFESTYLE Company
コラム一覧
